就労継続支援B型体験談【2日目】メガネの話と誕生日の話

双極性障害で引きこもりの理奈子です。

前回から私が就労支援施設に通っていた頃のエピソードをお送りしています。

この記事単体でも読めますが、よろしければ1日目からご覧になってください。

1日目を読んでいなくても分かる基本情報

就労支援施設に通っていた私が体験したことや思ったことの話

障害者差別の意図はない

・書いている人(私)は双極性障害Ⅱ型の精神障害者

・時系列バラバラ

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メガネの話

私はド近眼なので普段コンタクトレンズを着用して生活しています。

眼鏡をした自分の顔が嫌いです。目が小さく見えるからです。

小学生のころから眼鏡をかけていました。友達からも眼鏡をしていないほうがかわいいと言われていたので余計眼鏡をかけた顔が好きになれませんでした。

写真を撮るときや好きな人の前では眼鏡を外すようにしていました。

その日はなぜか眼鏡で作業所に行きました。多分コンタクトが切れたとかそういう理由でしょう。

眼鏡が無いと生活できないほどのド近眼なので、作業中は眼鏡を外すわけにはいきません。

いつものように掃除をしていると作業所仲間のたけし君(仮名、年齢は同じくらい)が私をじっと見つめて言いました。

「理奈子さん、眼鏡似合うね」

ドキッとしました。同世代の、男性に、まっすぐ見つめられて自分のコンプレックスだった眼鏡を「似合うね」なんてド直球で言われたらそりゃ驚きますよ。

今まで私の眼鏡を褒めた男性なんて一人もいなかったんですから。

まっすぐ見つめて褒めるなんて、健常者だったらどんだけタラシだって話だよ!

驚きつつも、「ありがとうございます」と返しました。

たけし君は、おそらく軽度知的障害でした。苦手なことは空気を読むことです。作業所仲間の中ではツッコミ要員でした。いい意味でも悪い意味でもです。場に適したツッコミができるとみんな盛り上がりますが、職員さんが真面目な話をしているときに自分の思ったことを口に出してしまうのでよく注意されていました。

私は「障害は個性だ」という考えに完全に賛同はしかねます。

ですがこのメガネを褒められた出来事から、「障害を個性と言い切ることはできないけれど、障害が個性(長所)になる場合もあるんだな」と思うようになりました。

たけし君の場合は思ったことをストレートに言う、ことですね。

長所にも短所にもなり得る個性を彼は持っていました。

この思い出は作業所に通っていた思い出の中でも嬉しい思い出です。

誕生日の話

もう一つ、嬉しかった思い出の話です。

20歳過ぎてからは誕生日なんて特別嬉しくないと感じていました。

一つ歳を重ねて、老いを感じる日。誰かが祝ってくれるからこそ嬉しい日。

担当していた売店部門にはいつも来てくれるお客さんがいました。

その中の一人の常連さんは人の世話を焼くのが好きそうなおしゃべりおばちゃんでした。

ある日、いつものように会話していると常連さんは「あなた、誕生日はいつなの?」と尋ねてきました。

私はとっさにはぐらかせず「〇月○日です」と正直に答えてしまいました。

「あら結構すぐじゃない!」なんて言いながら常連さんは紙にメモしていました。

常連さんが帰った後、掃除をしていると誕生日のメモが置いたままになっていました。

メモしたのに忘れるなんて、不思議な人だな。でもなんで知り合って間もない売店の女性の誕生日なんて聞くんだろうと疑問に思いました。

誕生日の日、私は変わらず作業所に行きました。

そして売店業務をこなしていると、あの常連さんがやってきたのです。

「理奈子ちゃん、あなた誕生日いつって言ったっけ?」

私はまた嘘をつけずに「実は・・・今日なんです」と答えました。

「あらまあ!おめでとう!」

その後他愛のない会話を続け常連さんは帰りました。

しかししばらくして「忘れ物しちゃったの!」とまた店に戻ってきました。

えっ?帰った後掃除もしたのに忘れ物なんて見当たらなかったけど?と焦る私に常連さんは赤い薔薇を差し出しました。

「はい。誕生日プレゼント、渡すの忘れてた!」

なんとお礼を言ったか、覚えていません。

覚えているのは常連さんが帰った後薔薇を持ったまま泣き崩れたことです。

当時私は双極性障害である自分を受け入れられず自己否定でいっぱいいっぱいになっていました。

そんな時にまだ知り合って間もない人に突然誕生日を祝ってもらって、しかも演出が粋過ぎて、心がキャパオーバーしたんでしょう。涙がボロボロとしばらく止まりませんでした。

職員さんには少し怒られました。

個人情報を簡単に言ってはいけない、そして今回みたいにプレゼントを用意して気を遣わせてしまうから次回から気をつけなさいと注意されました。

薔薇は自宅の玄関に飾りました。

1カ月以上も綺麗な姿を保ったまま咲き誇っていました。

見るたびに、あの日を思い出して私は笑顔になりながら作業所に通う日々が続きました。

次回の就労支援エピソードはの恋愛の話と季節の変わり目の話です。
就労継続支援B型体験談【3日目】恋愛の話と季節の変わり目の話

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